About the suit.
Last update:2014/9/11
スーツ基礎知識
スーツとは?
スーツとは、一般的に(主としてビジネス用)背広を指す言葉で、男子が平服として着る洋服です。共布で作った上着とズボンが一組となったものをいい、更に共布のウェストコート(チョッキ、アメリカ英語ではヴェスト(vest))を加えたものは「三つ揃い」といいます。
上着の下にワイシャツを着用し、ネクタイを結ぶのが基本です。また、単に上着のみをいうこともあります。
最近スーツにアバクロの帽子を合わせている人を見ましたが、とっても格好良かったです。通販で見たことがある帽子でした!初めはアバクロで買ったものだと気が付かなかったのですが、その人の後ろで信号待ちをしている時に気が付きました。アバクロの帽子も格好良かったのですが、スーツをビシッと着こなしている姿が印象的でした。ネット通販を活用してる現代人!ってカンジで(笑)
語源
語源については、次のような諸説があります。
英語の軍服に対比される市民服「シビル・クロウズ」(civil clothes)が日本語にカナ読みされ、さらにその中の「シビル」が「セビロ」と訛り、それに音の合う「背広」の漢字が充てられたという説と、背広服を売り出したスーツの発祥地でもあるロンドンの仕立屋街「サヴィル・ロウ」(Savile Row(英語版))が訛ったという説、モーニングコートの背幅が細身で狭いのに対して背幅が広かったから背広と呼んだ、仕立て職人の慣用語から一般化したという説です。
紳士服の源流である燕尾服に用いられるテイルコートは、背面から見たときに背の部分が広く見えるためという説もあります。
スーツの歴史
二つボタンの背広は、イギリスでラウンジ・スーツ(Lounge Suit)、アメリカでサック・スーツ(Sack Suit)と呼ばれ、19世紀に登場したものです。なんと、当初はレジャー用でした。
しかし、19世紀末から20世紀の初頭にかけ、アメリカのビジネスマンがビジネスウェアとして着用し始めます。
その後世界的に普及しました。
スーツはもともとビクトリア王朝時代の詰襟の英国軍服(4つボタン)の第1ボタンを外して襟を外側へ折り返し、ラフに着こなした姿が元祖と言われています。その後、あらかじめ襟上部を外側へ開襟して仕立てた現在のスーツの原型が誕生し、やがてボタンの数が減って3つボタンまたは2つボタンの上着が誕生、その後は軍服とは別の「スーツ」という服装の定義が誕生していったそうです。
スーツの元祖である正統派スーツはスリーピース・スーツであり、イギリスで生まれたスーツは貴族紳士の嗜みとされていました。
アメリカ人も入植初期の頃はイギリス様式そのままのスリーピーススーツを着用し、シングルなど存在しなかったそうです。シングルやダブルは正統派スーツを簡略化したもので、着用様式も簡略化したものなのだそうです。
日本では幕末末期〜明治時代以降着られるようになります。その頃のスーツはイギリス製、アメリカ製、フランス製が主流でしたが、当時はスリーピース・スーツしかなかったので当時の日本人が着たスーツはいずれもスリーピース・スーツでした。
ただし、明治時代の日本では男性の洋装としてはむしろフロックコートが主流で、大半の日本人は和装でした。
制服(軍服)として、長らく立襟型のジャケットが用いられてきましたが、市民服としての背広の一般化に伴い、制服として背広型が採用されることも多くなってきました。
第二次世界大戦以前の1930年代頃は3つボタンのスーツが主流でした。
その後、次第に「ローリングダウン(段返り)」と呼ばれ、第2ボタンを止めて第1ボタン部はラペル(下襟の返し)と一緒に開襟する着用方法がアメリカを中心に流行し、やがて段返り着用を前提に仕立てられた3つボタンスタイルのスーツ(襟のアイロンが第2ボタン直上までかけられていて、第1ボタンを閉めない上着)が登場しました。
その後、段返りスーツから第1ボタンが省略され2つボタンスーツが誕生します。
同大戦後はほぼ2つボタンが主流の座となります。
その後日本では1990年代頃より3つボタンが再度普及していきました。
バブル期にダブルすーつが流行しましたが、現在は若い世代がシングル3つボタン、中年以上の世代ではシングル2つボタンが主流です。
しかし、2007年末ころから段返りシングル3つボタンも次第に復活してきています。ダブルも壮年層を中心に根強い固定支持層があります。
上着のボタン数とシルエット
シングル3つボタンは、上着の打合せ部に、ボタンが縦1列で3つ配置されたシルエットのスーツのことをいいます。
着用方法は第1・2ボタンのみをとめ、第3ボタンは空けたままにしておく方法と、第2ボタンのみを止め第1、3ボタンは空けたままにしておくのが一般的です。
開襟部のVゾーンが小さく、体を全体的に引き締めてスマートに見せることが出来、痩身であっても美しいシルエットとなるのが特徴です。
ウエストを絞り、体のラインをスマートに見せる伝統的な英国風トラッドスタイルのスーツは、シングル3つボタンが多いですね。
段返りシングル3つボタンは、段返り着用(3つボタンのうち第2ボタンだけをかけ、第1ボタン部は襟と一緒に返して大きく開襟する着用方法)を前提とした仕立てのシングル3つボタンスーツのことをいいます。
第1ボタンはありますが、襟のプレスが第2ボタン直上の位置まで来ていて、第1ボタンとホールは襟の一部として飾りになっています。着用は、第2ボタンのみをかけるのが一般的です。
従って、シルエットはシングル2つボタンに近くなってきます。
第1ボタンとボタンホールがかさばるおかげで襟元ががふんわりと立体的になり、純3つボタンよりもややラフな着こなしのイメージになります。
シングル2つボタンは、上着の打合せ部にボタンが縦1列で2つ配置されたシルエットのスーツです。
段返り3つボタンのスタイルから派生したもので、第1ボタンが段返り3つボタンよりも更に下方に下がっているため、胸元のVゾーンが大きく開き、ネクタイを引き立て体全体のシルエットを縦長に見せる効果があります。
着用方法は、第1ボタンのみをかけるのが一般的です。
この形は
第二次世界大戦後に主流として着用されてきたシルエットです。
シングル4つボタンは、上着の打合せ部にボタンが縦1列で4つ配置されたシルエットのスーツのことをいいます。
体の前面をほぼ閉じてしまうため、Vゾーンは極めて小さく、外套に似た印象となります。スーツの原型である軍服のシルエットに比較的近いですが、非常にタイトな外観から来る独特の印象により、あまり一般的ではありません。
ダブルスーツは、上着の打合せ部を大きく重ね合わせるシルエットで、ボタンが縦2列あるスーツの総称です。
ボタンの数は各列2〜4個程度とデザインによってばらつきがあります。
コートに似た外観のため、シングルよりも容姿に派手さが増し、身体を大きく見せる効果があるため、現在でも教師や警察官、官僚など他人より優位に立つべき職種に就く人々に好まれる傾向にあります。
また、お腹周りを隠しやすいこととから中高年以上に好まれることもあります。
最近はシングルのように、細身のダブルスーツが出てきました。
ズート・スーツとは、戦前のアメリカで誕生したスーツのバリエーションの一つです。上着はかなり大きめに肩パットが入り、ウエスト部が大きく絞られていて、ハーフコート並に裾が長いのが特徴です。
ズボンは胸に近い位置まで来るような極端に高い股上で、太股部はダブついて太く、下は足首に行くに従って急激に絞られるシルエットが一般的です。上着のボタン数は2〜4つまでと様々で、縦縞柄で作られたズート・スーツは迫力があり、1940〜1950年代のマフィアが好んで着用しました。
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Last update:2024/6/6