About the shirt.
Last update:2014/9/11
シャツ基礎知識。
シャツとは?
シャツ(英語でshirt)は、上半身に着用する衣類のことです。肌着として着用するもの(例えばTシャツ)と肌着の上に着用するものなどに分類されますが、クール・ビズの影響もあり、肌着と上着の分類は曖昧になってきています。最近はオリジナルTシャツ工房オリジナルTシャツ・クラスTシャツのプリント専門店といったオリジナルTシャツ専門店も人気のため、一言で「シャツ」といっても幅広い意味を含めているのです。
ただし、シャツ(ワイシャツ等)は元来下着に分類されます。
これはワイシャツが誕生した19世紀の英国に、今のような男性用下着は無く、長い裾を股と股の間でボタンで留める事によりワイシャツが下着の代わりを果たしていた事に由来します。
英語のshirtの語源は、古ゲルマン語のskurtaz(短く切る)です。丈が腰あたりまでしかない短めの衣類がこのように呼ばれており、skurtaz→scyrte(古英語)→shirte(中英語)→shirtと変化しました。
シャツの歴史
シャツの起源は、古代ローマで着用されていたチュニックに遡るとされています。
チュニックは、スリットの入った素材から作られ、現代で言うワンピースのような形状の衣服でした。
その後、両袖が付けられたものが着用されるようになりましたが、基本的に大きな変化がないまま中世に至ったのです。
ヨーロッパ中世期には、ボタンや襟、袖口などが付けられ、現代のシャツの形に近づいてきました。
当時、シャツを着用できるのは上流階級に限られていたとされています。また、シャツの前立ての男女差(男子用は左前、女子用は右前の別)も、この時期に由来すると考えられていmす。
ルネサンス期になると、シャツの装飾化(フリルやスリットで装飾したシャツ)が貴族階級の間で流行しました。
その後、シャツは簡素化への道を進み始めたのです。
フリル等の激しい装飾は次第に姿を消し、19世紀には現代シャツの形式がほぼ確立しました。
その背景には、ボタン使用の普及があるとされています。この時期に、シャツは上流階級だけではなく、広く民衆が着用する衣服として定着していったのです。
19世紀のシャツの特徴は多様な襟の形状が現れた点にあります。それ以前は立ち襟が一般的でしたが、非常に高い立ち襟が流行した後に、折り襟が初めて登場しました。
20世紀に入ると、シャツの多様化が著しく進展します。
シャツの種類の大部分は、20世紀以降に誕生しているのです。
現代では、ヨーロッパから発祥したシャツはほぼ全世界に普及し、人類の共通的な衣類となっています。
シャツの種類
シャツの種類は非常に多く、目的用途に応じて種類を選択することが必要です。
正統的なフォーマルなシャツには、ドレスシャツ・ワイシャツ・カラーシャツ・タートルシャツ(タートルネックのシャツ)等があります。
カジュアルでファッション性の高いシャツには、ボタンダウンシャツ・ポロシャツ・フランネルシャツ(ネルシャツ)・パターンドシャツ・ボディーシャツ(身体に密着するシャツ)・シースルーシャツスウェットシャツ・スモックシャツ・クレリック・シャツ等があります。
作業着として着用されるシャツには、ワークシャツ(作業用シャツの総称)・ファーマーシャツ(農夫向けシャツ)・ランバージャックシャツ(木材伐採向けシャツ)・ダンガリーシャツ(紺と白の綾織り綿シャツ)等があります。
スポーツ・レジャー用として着用されるシャツには、スポーツシャツ・レジャーシャツ・フィッシングシャツ・アスレティックシャツ・アスコットシャツ等があります。
民族的な色彩の濃いシャツには、アロハシャツ(ハワイアンシャツ)・バロンタガログ(フィリピンの正装シャツ)・カーターシャツ(北部インドのシャツ)・ダシキシャツ(アフリカ民族風のシャツ)等があります。
肌着として着用するシャツには、Tシャツ・丸首シャツ・ランニングシャツなどがあります。
この他、カッターシャツ(襟とカフスが身頃に付けられたシャツの総称)、ブラウス(女性が着用するシャツ)アンダーシャツ・Y首シャツ・U首シャツなどの種類があるのです。 足下からお洒落にするならビジネスシューズでキメてみてはいかがですか?
日本のシャツ文化
シャツは、江戸時代最末期〜明治時代初頭の頃に日本へやってきました。
当時の日本人の一般的な服装は着物でありましたが、文明開化の名の下に(特に東京近辺において)洋装の導入が進み、シャツの着用も行われるようになったのです。
ただし、民衆の一般的な服装はやはり和装であり、シャツ等の洋装を行う者は「キザ」「西洋かぶれ」というネガティブなイメージで見られていたようです。夏目漱石の『坊っちゃん』にも嫌味な登場人物として「赤シャツ」が描かれていますね。
その後、都市部では洋装が普及し、シャツの着用も一般的となっていきましたが、農村部においては太平洋戦争期頃まで和装が普通であり、シャツはあまり普及していなかったのです。
戦後は日本文化のアメリカ化が進み、農村部へもシャツを始めとする洋装が広がっていきました。
日本における礼儀正しいシャツ(ワイシャツ(ブリーフが1935年に発明されるまでヨーロッパの男性では唯一の下着)からTシャツまで含む)の着用方法は、裾をズボンの中に入れることとされています。
裾をズボンの外に出すことは、元来下着であったため、カジュアルの場であっても非常にみっともないことと長らく考えられてきたからです。
1980年代後期の頃から、カジュアルシーンにおいて裾を外に出す着用形式が広まっていき、1990年代に入ると、カジュアルシャツ(ポロシャツやボタンダウンシャツ等)の裾を外出しすることは一般的となり、特にTシャツの裾をズボンの中に入れる形式はほぼ絶滅するまでに至っています。
しかし、2000年代には、股上の浅いパンツが増えたためか、また中に入れる形式がよく見らます。
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Last update:2017/2/14